リアルタイムツール「Notch」でプリレン映像制作日記01
Notchでプリレン映像作った話を書いてみます。

<目次>
Notchとは
Notchはリアルタイム映像ツールです。
主にライブイベント、XR/AR演出などの分野で多く使われています。
<Notchの主な特徴>
ノードベース
タイムライン機能
レイヤー構造
キーフレーム制御
クローナー及びエフェクター機能
各種インタラクティブ要素の追加/連携機能
レイヤー構造やクローナーなどはAfter Effects、Cinema4Dユーザーと相性がよく、 プログラミング知識がなくとも感覚的にリアルタイムコンテンツの生成が可能です。
メガデモで有名なCNCD、Fairlightなどが開発チームで関わっているのもポイント高い。
↓開発チームによるデモ作品
プリレン映像制作で使用する試み
本来「インタラクティブ演出」が目的となるケースが多いリアルタイムツール群。 しかし、タイムラインと高い描画力を持つNotchはプリレンダ制作でも非常に強力です。
主に以下2パターンのワークフローで制作しています。
・全行程Notch縛り (本記事)
全行程Notch縛りのワークフロー
3DCG、タイポグラフィ、カメラワーク、シェイプアニメーション、カット構成、ポストFX、最終レンダリングまで全てNotchのみで完結。
Vtuber渋谷ハルさん(@ShibuyaHAL)によるAPEXチーム「KNR」さん発足動画です。
本来であればAfter Effectsで作るようなジャンルの映像かなと思います。 要素別に方法を解説したいと思います。
1.イントロ ロゴとアブストラクト空間
ここはNotch標準搭載の「クローナー」と相性のよい表現です。AO、GI、SSR、被写界深度などを入れても当たり前のようにリアルタイムで動いてくれます。 従来であればElement3DもしくはCinema4Dを使用していた表現でした。
2.レイスのポータル&ワープ
APEXということで「ジェネでポータルとワープシーン作りたい!」というアイデアが真っ先に浮かんでいました。
ポータル・・・豊富なフラクタル系およびディストーション系ノードを使用。
ワープシーン・・・パーティクルと放射状のブラーを使用。
3.メンバー紹介シーン 0:22~
・立ち絵&プレイ動画の配置
pngやtiffをはじめとした様々な画像形式、QT系AVI系の様々な映像形式に対応。 映像は「NotchLC」という独自コーデックと相性が良く、mp4などをインポートすると自動変換してくれます。 NotchLCはAfter Effectsにも対応。フリーDL→https://notchlc.notch.one/ ・帯のようなシェイプモーション
Shape3Dノードを使用。平面、球、キューブ、トーラスなどのプリミティブを切り替えられる最も多様する万能ノード。
スケールや位置にキーフレームを打ちます。 ・メンバー名タイポグラフィ 日本語テキスト対応。
動きはクローナーエフェクターで制御します。「MoText」のような概念です。
この動画ではRandomize Effecterによってバラバラの文字が集まるようにキーフレームを打っています。
使用感・まとめ
・「コンポジションのプリレンダ」、「キャッシュ待ち」工程がゼロであるゆえに快適。
・待ちがないことがすべての作業段階に大きく影響する。
・ノードOn/Offでより多くのパターンをトライ&エラー可能。
・2Dモーション表現に難あり(不可能ではないがかなりトリッキー。。。) ・プリレン系のサンプルはほぼ落ちていないないため自分で探る根気が必要になる。
別記事にて「Notch(3DCG)+AE(コンポジット)」について詳しく触れたいと思います。
#映像制作 #モーショングラフィックス #ビジュアルプログラミング #Notch
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Shuhei Maeta aka VISLIM
フリーランス テクニカルアーティスト / XRディレクター/ モーショングラフィックスデザイナー Mail : shu1053akn@gmail.com Twitter : https://twitter.com/shu1053 Qiita : https://qiita.com/Shuhei_Maeta
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